抗ミュラー管ホルモン(AMH)について


AMHとは?


 AMH(アンチミュラー管ホルモン)とは、発育過程にある卵胞から分泌されるホルモンで、

その人の卵巣の(底)力(=卵巣予備能、卵巣年齢とも言われています)を知ることができると考えられています。


今までこの目的でFSH(卵胞刺激ホルモン)が用いられてきましたが,その感度は高いものではなく,最近このAMHが注目されています。

女性の卵巣の中には、たくさんの「卵子のもと」があり、それらは(いっぺんにではなく)いくつかずつが発育して(いったん発育が始まると)3ヶ月ぐらいで(そのうちの1つが)排卵すると言われています。(排卵しなかった卵子はすべて捨て去られ,次の月はまた後から成長してきた卵子たちの中から1つが排卵するとされています)

若くて卵巣の働きに余裕がある時には1000個とかの中から選ばれた卵子が排卵するのですが、だんだんにおおもとの「卵子のもと」が少なくなるにつれ、いちどきに発育してくる「卵子のもと」が減ってきます。

卵巣の働きに余裕があっても,ぎりぎりで排卵していても,排卵するのはふつう1個のため,どのぐらいの卵子のもとが発育してきていて,排卵する卵子はどれだけの卵子から選ばれたものか=どれだけ卵巣の(底)力があるかをはかるのは難しいとされてきました。

AMHは少し成長した『卵子のもと」から分泌され、後から発育してくる卵子の数を調節するといわれています。つまりAMHを測定することによって、1つの排卵する卵子はどれぐらいの数の卵子のもとから選ばれたものかがわかるのです。


 発育してくる「卵子のもと」の数は25歳〜30歳をピークに 年齢とともに減少し、同時に血液中のAMH濃度も減少していきます。

AMHが低いと、自然排卵が起こりにくいだけでなく、不妊治療の際に排卵誘発に反応しないことが多くなり、

タイミング療法や人工授精、体外受精を予定していても、卵胞が発育しないため治療がうまくいかないという可能性が増えてきます。

卵巣の反応性があらかじめわかれば,それに応じた排卵誘発方法をとることができます。

また、卵巣のう腫の手術をして、卵巣の残っている力(あと、どれぐらい大丈夫そうか)を知りたい方、生理周期が短くなってきた方(卵巣の調子が悪くなると周期は短くなります)も、AMHを測ることを考えてもいいと思います。

まだ新しい検査で健康保険がききませんが、うちでは5000円ほどで調べることができます。

月経周期には影響を受けないとされています。結果が出るまでに1週間ほどかかります。



うちで2017-2021に測った方々の値です。(多嚢胞性卵巣(PCO)の方は高くでます)
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