子宮がん


子宮がんには大きくわけて、
出口付近にできる 子宮頸癌 と
中の方にできる  子宮体癌 があります。

この2つは別物で、頚癌はHPVというウィルスでおき、体癌はホルモン異常でおきることが多いといわれています。

どちらも多いのは50才代以降なのですが、HPVというウィルスはセックスでうつって、最短3年でがんをひきおこすため、最近は20才代でも頚癌になる人が増えてきました。頚癌の検診は内診台にのらねばなりませんが、直接 細胞をこすってとるために、かなり早い時期からちゃんとわかります。早い時期にわかれば、命どころか子宮もとらないですみます。

また、最近では毎年でなく、2年ごとに検査すればよいと言っている人もいます。
一面真実だと思いますが、どんな検査も100%ということはありえません。
少なくともはじめの何回かは毎年受けておくことをお勧めします。

市町村の検診が行われていますが、自治体によって行っている事業が違います。詳しくは役場に問い合わせてみてください。
(残念ながら当院でできるのは太田市の子宮がん検診だけです。通常5月から11月までです。年度初めに市から検診票が送られてきます〜送られてこなかった方は保健センターに問い合わせてみてください)
(税金の補助なしで、自費で検査をすることは可能です。。その場合3000円ぐらいになると思います)

頸がん予防ワクチンについて


子宮頸がんワクチンを積極的にはお勧めしないようにという厚生労働省からのお知らせがありました。20130615

子宮頸がんワクチンで副作用が起きたときに診てもらう病院の発表がありました。20130927



(子宮頸がんの原因になる)HPV(というウィルス)には100以上の種類が確認されており、かかるとガン化するかも知れないのが「高リスク群」と言われる
16,18,31,33,35,39,45,51,52,56,58,59,68,73,82,(26,53,66)タイプです。

サーバリックスはそのうちタイプ16と18に対するワクチンです。
ガーダシルはタイプ6,11,16,18に対するワクチンです。(タイプ6と11はコンジローマというセックスでうつるイボを引き起こします)
HPVウィルスタイプ16,18は、日本で起きる子宮頸がんの6割ぐらいの原因となっていると言われ、特に若い女性の頸がんに多いとされています。
ワクチンはHPVタイプ16,18に新たに感染することを防ぐことができますが、すでに感染している人には効かないんだそうです。

HPVウィルスにかかっているかどうか調べることは可能ですが、今のところ健康保険がききません。
「高リスク群のどれかにかかっているかどうか」は5000円ほどで調べることができます。「どのタイプのHPVにかかっているか」は25000円ぐらいかかります。
生理でない時に内診台に乗ってもらって、子宮の入り口を綿棒でこすって検査に出します

これらのワクチンは3回打つことが必要ですが、途中でもう片方のワクチンに替えた場合の有効性の研究はなされていないため、1回うったら、同じワクチンで行く必要があります。 (サーバリックスは1ヶ月後と6ヶ月後、ガーダシルは2ヶ月後と6ヶ月後にうちます。)(肩に注射しますので、生理中でも関係ありません)(妊娠してたらダメです)

まだ完成してから時間が経っていないため、最初に試した人でも8年ぐらいしか経っていませんが、充分な免疫が保たれているということです。(そして、専門家が計算したところ、20年以上は有効な免疫が保たれる_はず_だそうです)
世界では、ガーダシルの認可が先行し、2009年2月までに世界中で4000万本が供給されたそうです。ワクチン接種周辺死亡は100万本に1人だったそうです。
(副作用の懸念から積極的にはお勧めしないことになりました。20130615)

どっちがいいのかというと、はっきりいってわかりません。
まだどちらも使われるようになってから充分な期間が経っていないためです。
すべての頸がんを防げるわけではありませんので、(頸がん予防ワクチンをうっても)子宮がん検診は受ける必要があります。

いらっしゃってもワクチンがないと困りますので、電話で「ガーダシルを(サーバリックスを)うちに行く」旨、ご予約をお願いします。
(自費の方は1回15000円です。)